(鄭曼青宗師のお嬢さん)へのインタビュー
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(このインタビューは2002年にフランスで行われた第一回鄭曼青フォーラムでRonnie Robinsonによりおこなわれたものです。原文はこちら) Q.偉大な鄭曼青先生の娘であることをどう思われますか? A.私は本当に父の残してくれた太極拳に感謝します。父は、画・詩・医・書そして太極拳と多様な分野で才能を発揮しました。その中でも父は世の中に健康をもたらす太極拳を教えることを好んでいました。 Q.太極拳を最初に始めたのは何歳の時ですか? A.私は3歳の時に太極拳を始めました。その時、父は習うには小さすぎると言いましたが、私は「いや!今すぐ始める。」と答えました。私は周囲の人達が皆太極拳を学ぶのを見て、自然と学びたいと思うようになったのです。父は、「朝になったら起こさないけど、一人で起きれたら、山の練習場に連れて行って他の生徒と一緒に教えよう」と言いました。毎朝、私は練習のために夜明けの山を他の人達と登りました。 Q.3歳の時に何から覚え始めたんですか? A.私は、父の真似をするだけでした。 Q.いつから先生はあなたを細かく指導するようになったんですか? A.父はいつも私とそして一緒に来ていた姉に指導してくれました。 私は中学生の時に太極拳を教え始めました。私はボーイスカウトとガールスカウトを教えるお手伝いをしました。 Q.アメリカへ渡ったのはいつですか? A.1970年です。 Q.あなたにとって、その引越しはいかがでした? A.私にとってとても幸せなことでした。私達はしょっちゅう台湾と行き来しました。週末には父の太極拳教室を手伝い指導を行いました。 Q.太極拳を教える上で、お父様は西洋の人達と東洋の人達は違うと感じていましたか? A.はい、とても違います。父はアメリカで教えることができてとても幸福でした。アメリカ人は練習にも学ぶにもとても熱烈で一生懸命でした。台湾で父が教えていた多くの人達は、病気なので健康になりたく来ていました。それが台湾の教室に来る人達の主な目的でした。一方、アメリカでは武術として学ぶことを熱望していました。彼らは健康的な人達で激しく練習しました。また父は彼らに老子や芸術論について分かりやすく教えることができました。 私は今日でも同じことを感じます。中国の人達はそれらを簡単に考え、学ぶ準備もしなければ一生懸命学ぼうともしません、彼らは怠け者でたくさん練習しようとしません。 Q. お父様は手の形や足の置き場所にうるさく注意されましたか? A.はい、そうです。それは正確に学ぶうえで大切な事です。 Q.私達が手本にすべき最終的な鄭子太極拳の型を得る事はできますか? A.おのおのの型には原理があります。原理に固執することは良い事です。もし原理の使い方を知るならますます良くなりますが、その使い方を知らないままでは問題です。 Q.それであなたは動きの使い方を教えるのですね。 A.はい、しかしあなたがたは外側の動きと内側の動きを連携させないといけません。もしあなたが絵を習うとしたら、最初はデッサンから始めて、それから創造的な絵に仕上げてゆきます。太極拳においても最初は外面的な形から入り、それから内面へとつなげてゆきます。それは家を建てるのと似ています、そこには考えるべきたくさんの面があります、外面的な形、内面的な働き、性格や精神。あなたはまた高い道徳性を持つべきです。それはあなたが太極拳を行う時、人間性の向上となります。 Q.鄭子太極拳の型は使用方法が分かりにくいとよく言われますが、その考えについていかが思われますか? A.ここに父の2つの映像があるとします、ひとつは若いころのもので、ひとつは年をとってからのものです。この2つの映像において父はかなりちがう動きをしています。父は年を取るにつれ教え方も変わりました、身体の使いかたやその理解も変わってきました。ものごとはそんなに明確なものではないのです。 Q.教室ではどのくらい教えているのですか? A.毎週末に教えています。でも宣伝をしてないのでほんの数人に教えているだけです。 Q.競技会についてはどう思われますか? A.そうですね、人々が競争する時に彼らは神経質になります、そしてエネルギーが高まり、それがリラックスへの学びにつながる事もありますが、多くは闘牛の様になってしまいます、私はそれが好きではありません。 Q.多くの推手の競技会では太極拳の理論が生かされてないと思われるわけですね。 A.はいそうです。先生は原理を正しく教え、生徒もそれを正しく学びます、しかし競技会のプレッシャーの前では太極拳の技術も消し飛んでしまいます。最初に肝に銘じておくべきことは、太極拳は優れた護身術であるけれでも、ひとたび腕力を使うとそれは消えてしまい役にたたなくなるということです。 Q.今回の鄭曼青先生百歳記念大会と鄭子太極拳の発展をどう思われますか? A.私はとてもうれしく、また誇りに思います。たくさんの国からたくさんの方達が鄭子太極拳のために集まっていただきとてもうれしく思います。 (Katy Cheng 先生は2003年6月6日から13日までスコットランドで太極剣を教える予定です) |